(2026年9月18日掲載)
Sustainableな都市をHigh Technologyで実現することを目指し、世界中からイノベーションの担い手たちが集結する「SusHi Tech Tokyo 2026」。このアジア最大級のグローバルイノベーションカンファレンスに、中央日本土地建物が出展し、Tolazaやそのプロジェクトでの取り組みについて展示・トークセッションを行いましたので、その様子をレポートします。
「SusHi Tech Tokyo 2026」は、世界が注目するテクノロジーを持って成長を続ける企業や、投資家・大学・官公庁など、多彩なプレーヤーが東京に集まり、出会い、交流を通じて、世界の課題解決につながるイノベーション・新たなアクションを生み出す場です。
中央日本土地建物はゴールドパートナーとして参画し、ブースにて「虎ノ門・西新橋エリアにおけるまちづくり」や、今回のイベントで施設名称がお披露目された「Tolaza(虎ノ門イノベーションセンター)施設概要及びそのパイロットプロジェクトの紹介展示とTolazaのコンセプトを体現した参加型アートの展示」、さらには展示内容に関連した「トークセッション」を展開しました。
ブース入口付近では、Tolazaの施設概要として「多様なセクターが対話を通じてつながり、社会性と経済性を両立させた新たな価値を創造していくための施設」であることや、その名称とロゴの由来、TolazaのVision/Missionなどを展示しました。
ブース中央の「スペクトラムパスメーカー」は、一人ひとりの「声」を起点により良い社会を実現していきたいというTolazaの理念を来場者に体感してもらうコンテンツとして設置。画面上に表示される複数の社会課題テーマから関心の高いものをひとつ選び、マイクへ向かって「こうなったらいいな」という思いを声にすると、その波形とブースのデザインテーマを組み合わせた“自分だけの声のアート”が出来上がるというもの。ポップなデザインや楽しい仕掛けにひかれて、多くの方が足を止めていました。
また、ブース奥ではTolaza開業に向けたパイロットプロジェクト「みんなのディーセント・ワーク」から生まれた「福祉的視点と経済的視点を往来する障がい者就労マネジメントの構想」として、課題に深く向き合う中から生まれた「ケアノベーションマネジメント」というコンセプトと、その基本的な考え方や先行事例等をまとめたコンセプトブック、当該コンセプトの内容を搭載した専用AIチャットボットなどを展示しました。
初日、2回に分けて行われたセッションでは、Tolazaのブランドコンセプト立案に携わり、官民共創パイロットプロジェクト「みんなのディーセント・ワーク」をリードしてきた、株式会社BIOTOPEの山田和雅さんと、このプロジェクトで生まれたAIチャットボット「ケアノベーションサポーターGPTs」の開発を担った、株式会社Focus on 代表取締役 倉嶌洋輔さんが登壇。プロジェクトを立ち上げた中央日本土地建物 川島さんとともにプロジェクトの概要説明やAIチャットボットの開発経緯の紹介を行いました。
セッション前半では、山田さんがこのプロジェクトで「障がい者就労における需給ギャップ」という社会課題に対し、福祉(ケア)と経済(イノベーション)の2つの視点を融合させた新たなアプローチ「ケアノベーションマネジメント」を提案していることを解説。これによりマネジメントのOSをアップデートし障がい者就労の「質」と「量」を共に高めることを目指していることが紹介されました。
プロジェクトではまず、社会(マクロ)、組織(メゾ)、個人(ミクロ)の3つの視点から課題を分析。単に「ケア」を「コスト」として捉えるのではなく、障がいを持つ方を「人的資本」として捉え、活躍を通じて組織に価値を生み出し「社会資本」につながる道筋をデザインすることが本質的に重要であると考えたといいます。まさに「イノベーション」と「ケア」の視点をマッシュアップした成長と再投資の好循環を生み出す投資的な考え方です。
続いて、ケアノベーションマネジメントの仕組みをデザインする中で、特に「組織内でのマネジメント方法を変える」ことが大きな変化のきっかけとなることが見出されました。現状の課題として、マネージャーは障がいを持つチームメンバーへのマネジメントやフィードバックに関して十分なレクチャーを受けられていないというのです。そこで、プロジェクトでは先駆的に取り組まれているマネージャーの方々にディープインタビューを行いながら、マネージャーが持つべき基本的な考え方として、5つの原理原則(強さはしなやかさ しなやかさは強さ/完璧を疑い 未完成を愛す/成長の裾野を測る/しなやかさは価値に/儲けは弱さを信じる者へ)を提示しました。そして、マネージャーたちのためにこれらの詳細な内容を約50ページのコンセプトブックにまとめました。
一方で、忙しい現場マネージャーはコンセプトブックを読み込むにも時間的制約があるため、現場マネージャーのためのサポート機能も併せて用意すべきではないか、といった議論が出てきました。そこで、現場で事象が起きた際、ブックの内容に照らし合わせて相談・回答をしてくれるサポーター的役割を目途に、当該コンセプトブックを内蔵した専用AIチャットボット「ケアノベーションGPTs」を開発したのです。
開発を主導した倉嶌さんによる「ケアノベーションサポーターGPTs」の紹介では、開発には3カ月にわたる要件定義とチューニングを要し、7つのシナリオと約45000字のドキュメントを基に完成させたことが紹介されました。 その最大の特徴は、利用者の立場に応じて対話の入口を3つに分けている点です。
「ケアノベーションサポーターGPTs」には「支援型のリーダー」という人格が与えられており、基本姿勢として共同重視、透明性、社会的使命感を持ち、持続可能な成長と安定を追求するよう設定されています。対話スタイルは「支援者の公平性、ケアの精神、対等な対話」を特徴とし、健全な態度で安心できる環境を提供します。さらに、ただ客観的な助言をするだけでなく、長期的な成長支援と継続的な環境確立を目指す「育成AI」が搭載されていることも重要なポイントとして挙げられました。
後半のセッションでは、まず倉嶌さんによる「ケアノベーションサポーターGPTs」のデモが行われました。システマチックな冷たい印象を避けるため、画面表示をゆっくりとした挙動にして温かみを持たせるといった設計のこだわりとともに、前半のセッションで紹介された3つの入口について、それぞれ解説していきます。
「現場での悩み」では、ユーザーが課題を選択すると、GPTsがまず抱えている課題を深掘りし整理・確認してからアドバイスを提供します。さらに、提案した案に対し「実行できそうか」とユーザーの実行可能性を問いかけ、難しい場合は「周囲のメンバーに共有するための文面」作成までサポートしてくれるなど、実行性を重視した設計になっています。
「経営層の悩み」では、GPTsが悩みや懸念を深堀りし、労働力不足の解消や組織のしなやかさの向上、現場マネージャーのマネジメント力強化といった、多面的な経営メリットを提示するようになっています。例えば「障がいのある社員に対する配慮が生産性を落とす」という懸念に対しては、「障がいのある社員への配慮は、一人ひとりの特性や状況を深く理解する解像度の高いマネジメント力を鍛える機会になります。その力は、一般社員へのマネジメントにも応用され、組織全体のマネジメント品質を高め、中長期的な生産性につながる」という視点の転換を促します。対話を通じて、組織文化の強化といった土台作りから、具体的に障がい者を受け入れた際、どこの部署にどのような業務で配属するかまで、短時間で課題発見と解消法の解像度を高める具体的なステップを提案します。
「全体像を知りたい」は、ざっくりとした全体説明をするだけでなく、GPTsの役割や裏側の仕組み(レイヤー)が確認でき、例えば「弱さ、強さ」といった哲学的な概念を掘り下げて、対話形式で理解を深めることができます。
このように、すべての利用者が持つ個別具体的な悩みに寄り添いながら、基本概念に基づいた実行可能なアドバイスを提供し、継続的な成長支援と環境確立を目指す「プロジェクト伴走型AI」として機能するように設計されていることが説明されました。
最後に、山田さんが「みなさん全員にケアノベーション・マネージャーの素質がある、それをちょっと見出してみましょう」と呼びかけ、「ケアノベーション実現のための5つの原理原則(強さはしなやかさ しなやかさは強さ/完璧を疑い 未完成を愛す/成長の裾野を測る/しなやかさは価値に/儲けは弱さを信じる者へ)」を用いたワークショップを行いました。
選択式のテストで「5つの原理原則のうちどれを強みとしているか」を診断するというもので、参加者には結果に応じてステッカーとフライヤーがプレゼントされ、ケアノベーションへの親しみや関心が一層深まるエンディングとなりました。
今回Tolazaの紹介に加え、ブースでは中央日本土地建物が霞が関・虎ノ門エリアで推進するルール形成支援の取り組みについての展示も行われました。そこで2日目には、「ルールメイキング」をテーマに、2つのセッションが開催されました。
先行したこのセッションでは、国民がオンラインで政治家や行政に意見を届け、政策立案をサポートできる政策プラットフォーム(https://www.polipoli.work/)を開発・運営する、株式会社PoliPoli 取締役COO 山田仁太さんが登壇。中央日本土地建物 三木さんとともにルールメイキングについて、また企業が政策を事業活動に活かしていくことについて語りました。
まず、山田さんより「政策」が注目される背景には、スタートアップと大手企業双方の考えがあり、スタートアップにとって政策は、例えば電動マイクロモビリティのシェアリングサービスと改正道交法の規制緩和のように、イノベーションと事業成長を可能にする要素だとしました。一方、大手企業は国内市場縮小等を背景に多角化や海外展開を進める必要があり、ルール形成に関わることで他業界への新規参入機会を創出しているといいます。既存事業においては、政府との議論を欠いたままだと規制強化や市場縮小のリスクがあり、さらに経済安全保障上の要請の面で海外取引にも政府連携が不可欠となっていることから、政策とビジネスの接点が増大しているといいます。そして企業側の成長戦略だけでなく、政府側が社会課題解決のために企業参画を強く求めるようになったことも背景にあるとのこと。
ここで三木さんが、「2018年の創業当時と現在ではルールメイクに関する環境も変わっているのでは。定着しつつある感触はありますか?」と尋ねました。
山田さんは、いくつかのスタートアップが新たな市場を創り事業を大きく伸ばしたこと、従来グレーだった領域が社会の変化に応じ正しいルールとして認められるようになったことなどを挙げ、「アプローチのひとつとして認知され始めたのは大きい」と答えます。
続いて、政策をテコにして事業や経営にレバレッジをかける新しい経営モデル「政策経営」を取り上げました。
具体的には、当局とのコミュニケーションやルールメイキングといった従来の渉外業務に加え、経営戦略へ政策的な後押しを組み込むこと、そして補助金や行政営業において戦略的に上流から関わり、事業機会を創出することも含まれています。特に大手企業においては、これらの戦略を経営企画、渉外部門、新規事業部門が縦割りにするのではなく、複合的に進めることが求められているといいます。
「市場拡大」や「公共営業促進」はわかりやすいとしながら、「運用コスト削減」については「例えば補助金制度ができることで、今まで既存事業にかかっていた費用に補助金を充当し、そのぶんをマーケティング費に一部回せるようになれば顧客獲得コストが下がる」と具体例を挙げます。
また「業界内競争優位(ブランディング)」は行政としっかりコミュニケーションが取れている、政策に関与できていること自体がひとつのブランディングになるといい、「コンプライアンス・リスク対応」についても「自由が利きすぎて業界が悪い状態になる、いわゆる“やりすぎる”ことで規制がかかってくるのをあらかじめ防げる」と解説しました。
また経営戦略での具体的な活用例として、PEST分析※の「P」の部分である、経営会議などで省庁からの情報や当局・議員との対話で得られた情報を共有し、「政策の部分が自社事業に対してどういうインパクトがあるのか」「予測される規制に対してどんなリスク対応をとるべきか」といったことを話せるような場を作っておくことがポイントになると紹介されました。
※マクロ外部環境要因による事業への影響や脅威を把握するための分析手法。政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの要因を分析する。
さらに山田さんは「急成長のための“3つの波”」を示し、「テクノロジーの変化やUIの転換は意識されやすいが、“規制の変化”も新しいマーケットができるという意味ではテクノロジーやUIと同列」だと説き、経営者たちが意識して動いていることを訴えました。
ここで改めて三木さんが「“ルールが変わらないとマーケットに出すことすらできない”ものを開発するスタートアップもいるはず。どのタイミングで起業するべきなのか」と尋ねます。
山田さんは「規制に対してアプローチする時点で、1年以内でリターンがあることはまずない。3年なのか5年なのかを測りながらやっていくことが大事」。また「外部から専門家を入れるなど、どういう人をどの段階から巻き込むか」もポイントになると答えました。
法改正が必要であればさらに年数を要する、という中で、「法改正まではしなくても、省庁のガイドラインが変わればやりたいことの一部はできるようになる」こともまたあるといい、その落としどころに合わせてマイルストーンを引くことの重要性も訴えました。
政策渉外活動について、山田さんは、「誰に」「どういうロジックで」「どのタイミングで」話をするかを具体的に考えることが重要であると訴えました。
行政機関がそのルールについて過去に議論した内容を把握しておき、現在の社会環境の変化を根拠として、「今なら見直す必要がある」という新しいロジックを構築することが鍵になるといいます。企業側の要望を一方的に伝えるのではなく、行政側が検討可能な条文やガイドライン上の論点を整理し、その変更がもたらす潜在的なリスクを弁護士などの専門家と検討の上、現場が運用しやすい形で設計することが、ルールや規制の見直しに向けた議論を前進させることができるとしてセッションを締めくくりました。
最後のセッションでは、RULEMAKERS DAOコミットメントメンバーの塩澤好貴さんと、同法人で「OPEN BLUE」ディレクターを務める森山晴介さんが登壇。中央日本土地建物 川島さんとともに社会変革を加速させるためのルールメイキングの必要性と、企業・市民がルール形成に参画するための具体的な方法について議論を展開しました。
現役の国会議員秘書であり、この日も永田町から駆けつけた塩澤さんは自身の経験から、現状の間接民主主義、議会民主制の仕組みの中では、現場でチャレンジしている人々の一人ひとりの声や、規制の壁に直面しているスタートアップの声が、大きな業界団体などの声に比べて届きにくい、またフィルターがかかってしまうという課題感を抱えてきたといいます。
RULEMAKERS DAOはこの課題を乗り越え、「日本の明日が今日よりも良い国になると信じられる社会」、すなわち「民主主義2.0」を実現することをミッションとして掲げるDAO※です。塩澤さんや議員、弁護士、行政書士、そして民間セクターが連携する「法・政・民一体となったアプローチ」のハブとして機能し、多様なセクターの協力を得ながらルールメイキングに取り組んでいるといいます。
具体的な実績として、自治体ごとに条例の定義が異なりビジネスの成長を妨げていた「コーヒーカスは廃棄物か、有価物か」を定義する議論への参画や、海外からデジタルノマドを誘致するための「デジタルノマドビザ」のロビイング、そしてDAOを法人格とするための法整備支援などが紹介されました。
※decentralized autonomous organization(自律分散型組織)の略。中枢部や管理者などの階層構造が存在せず、組織の構成員の投票や合意によって意思決定を下す。ブロックチェーンによるスマートコントラクトを利用し、金融取引や財務情報に透明性を持たせている。
続いて森山さんが、RULEMAKERS DAOの主力プロジェクトである、スタートアップ対象ルールメイキング支援プログラム「OPEN BLUE」を紹介しました。OPEN BLUEは「拓こう。あらたな、市場を。」を掲げ、シード期から資金調達を経たスタートアップを対象に、政策提言や法律・条例改正へのアプローチを支援しているルールメイキング特化型のアクセラレーションプログラムです。
森山さんは「ルール形成を目指す企業は、そうでない企業に比べ成長率が5倍になる」という経済産業省のデータがあることを示し、OPEN BLUEは社会を良くする挑戦を後押しするエンジンとなることを目指すと述べました。
費用がかかりがちなロビイストを頼れないスタートアップだからこそ、自走できる力を獲得することを重視し、ルールメイキングのプロフェッショナルが講師となって、戦略策定から国会議員へのアプローチまでを指導していくといいます。すでに約60のスタートアップからオファーがあり、環境、福祉、モビリティなど社会課題や新技術に取り組む多様な14のスタートアップが採択されたといいます。
ここで川島さんがお二人に「なぜ日本では現場での実践や優れた取り組みが増えても、なかなか社会全体としての実装に至らないのか」と問いかけます。
塩澤さんは、金融法改正によって銀行APIをオープンソース化したFinTechの例を挙げ、法改正から実装までに時間がかかることによる国民の実感値とのギャップが生じることや、規制改革推進会議など、内閣に置かれる会議体へのアクセスが一部の人に限られるという構造的なフィルターの問題を指摘しました。これにより、現場の「誰が、どのくらい困っているか」という直接の声が届きづらくなっているというわけです。
森山さんは、現場の人間がそもそも「ルールを変えられる」という認識自体がないこと、そしてロビイストに頼るには経済的なハードルが高いこと、そのため市場原理が働きにくいソーシャル系スタートアップなど資本力のない企業にはルール形成のノウハウが届かず、民主化されていないことが大きな要因だと補足しました。
省庁への出向経験を持つ川島さんも「私は以前政策を進める経験をしているので、いつ、誰に、どのように話を持っていけばいいかわかるけれども、民間に来てみるとそこがブラックボックス化されていてなかなか見えない」と、ジレンマを感じている様子をのぞかせ、お二人に「こうした課題を克服し、個人や資本の小さいスタートアップがルールメイキングに参画する方法」を問いかけました。
森山さんは「小さな参画の仕方も、いろいろな形があります」とし、この日先行したセッションで紹介された、国民がオンラインで政治家や行政に意見を届け、政策立案をサポートできる政策プラットフォーム「PoliPoli」の活用や、具体的な課題解決プロジェクトを支援するRULEMAKERS DAOコミュニティへの参加を促しました。
塩澤さんは、ハードルの高い“国の法律”を目指すのではなく、身近な基礎自治体の議員や役所職員に“地域の小さな課題”として伝えるのであれば、意外と話を聞いてくれると示唆しました。その一方で、複雑な社会課題や国の法律に関わるケースでは、弁護士などの専門家を巻き込み、課題の正当性を分析して“声を大きくしていく”プロセスが欠かせないと説明。また、ルールを動かすためには、“自分だけが得をする”のではなく、普遍的に皆が課題だと感じ、共通の利益があるというWin-Winの形を描く必要があると強調しました。また先にも触れた「DAO法案整備」では、政治に深く関わらない一般市民が自分の持つスキルを活かしてプロジェクトに参画し、ロビイング活動を担うことで法案成立に貢献した経緯があることを紹介し、市民の力をルールメイキングに活かす可能性を示しました。
川島さんは最後の質問として、Tolazaという“場”を持つ立場から、ルールメイキングにおける「場の重要性」についてコメントを求めました。
塩澤さんは、まずRULEMAKERS DAOが“永田町にいない人たち”の声を拾うために、あえてオンラインコミュニティを主軸としていることを伝えます。その一方で、官僚や議員などルールに関わる人々が永田町や霞が関に集まっている点を踏まえると、近隣に物理的な拠点を持つスタートアップは「本当に強い」と述べ、地代家賃の高いこのエリアに、スタートアップ企業が利用しやすい拠点があることの魅力を語りました。
森山さんは、「結局、ルール形成・運用を行うのはすべて“人”」であり、感情面も大きいと指摘しました。だからこそリアルな“場”で対面して信頼関係を築き、「この人のために頑張りたい」と思わせる人間的なつながりを作ることが、ルールを動かす上で重要になってくるといいます。そしてTolazaのような場が開かれることで、一部の資本家だけでなく、ソーシャルな挑戦者にもつながりを作る機会が平等に広がり、ルールメイキングに参画する障壁が下がると期待を寄せました。
セッションの締めくくりとして、お二人によるチェックアウト※が行われました。森山さんは、セッションの企画運営者や来場者へ感謝を述べつつ、「我々がオンラインのRULEMAKERS DAOで培ってきたものと、Tolazaや霞が関・虎ノ門再開発におけるルールメイキングの構想は本当にマッチしているし、社会にとって重要だと感じているので、盛り上げていきたい」と意気込みを見せます。
塩澤さんは、「誰もがルールメイキングできる社会に」という決意を改めて表明し、公金である助成金を得て活動する公益的な立場として、本来はビジネスのために秘匿しがちなノウハウやスキームをオープンにし、政治やルールメイキングのブラックボックス化を解消していくことを約束しました。
※イベントなどの最後に行われる、参加者の気持ちや気づき、意気込みを共有する時間。森山さんはマイルールとして「すべての会議で必ずチェックアウトを実施する」ことにしているそう。
セッションの後も「もっと話したいことがあった」「いくらでも語れる」と、登壇者同士やセッション参加者、中央日本土地建物のスタッフも交えて大いに語り合っていたみなさん。出展を機に中央日本土地建物の取り組みに関心を持った来場者も多く、「より良い社会にしたい」というたくさんの熱意が飛び交う3日間となりました。